日本の地方創生の現状とは?過疎化の進む地域でビジネスを通じてのまちづくり

地方創生・まちづくり

「都心に人が集まっていくから、地方はこれからどんどん人がいなくなっていくよ」

あなたは日本の過疎地域、及び地方創生まちづくりについて聞いたことはありますか?

今の日本は都市部に人口や経済活動が集中していき、一方で地方の人口は減り、少子高齢化の一方を辿っている人口の問題や、インフラの老朽化、加えて地域間の所得の格差など、これらの問題はその地域だけでなく日本全体の問題として捉えられています。

このような問題を解決するために各地域で取り組まれている地方創生やまちづくりですが、コロナウイルスの影響もあり、その活動にも変化が現れています。

今回はその「地方創生・まちづくり」といった点にフォーカスして、今の日本の現状やこれらの問題や取り組みをご紹介していきます。

そもそも地方創生とは?

そもそも地方創生とは何なのでしょうか?

地方創生とは、少子高齢化の進展に的確に対応し、人口の減少に歯止めをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正すること

それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくことを目指すものが地方創生と呼びます。

今日本では地域過疎や若者の住みやすい「まちづくり」についての様々な対策が行われています。

参考:財務省北陸財務局 地方創生とは?

今、日本で起きている課題とは?

地方創生がどんどん進んでいく日本ですが、もともと地方創生が行われる理由になった地方の過疎化はどのような現状なのでしょうか。

「地方の過疎化」つまり「過疎地域」とは、「過疎地域持続的発展の支援に関する特別措置法」において、「人口の著しい減少に伴って地域社会における活力が低下し、生産機能及び生活環境の整備等が他の地域に比較して低位にある地域」と規定されています。

具体的には、法で定められている期間の中で、「人口要件」と「財政力要件」に該当する市町村の区域をいいます。

参考:徳島県 地方創生局とくしまぐらし応援課

また、過疎の集落や市町村では働き口が減少している現状もあります。

耕作放棄地の増大や住宅の老朽化、空き家の増加だけでなく、獣害や病虫害等といった問題が発生しており、商店やスーパーの閉鎖、インフラなどの公共交通の利便性の低下が進むことで地域住民の生活水準の維持ができなくなっている地域も少なくありません。

参考:HATCH 過疎化の現状と問題点とは?どんな対策ができるか

エシカル花子
エシカル花子

私もテレビで何十年も整備されていない道をおばあちゃんやおじいちゃんたちが使っていたのを見て、すごく心配になった…

また、コロナ禍においては、過疎地域に住む人々のワクチン接種をその地域に1人しかいない医師が全て1人で行わなければ行けないという課題や、コロナウイルスが流行し始めた当時は物や食品がなかなか届かないなどの問題が取り上げられました。

都心にいるとなかなか実感が湧かないですが、地方にはこのような課題が多く顕在しています。

今日本で地方創生が必要な理由

地方創生、まちづくりのために各市町村では様々な取り組みを行っています。

むしろ、コロナウイルスによりニューノーマルな暮らしを求めて地方へ移り住む人が増えていることはご存じでしょうか?

東京の一極集中から人口が流出し、地方へ住む人が増えてきました。

出典:HUFFPOST東京圏1都3県及び愛知県、大阪府の転入超過数の推移
エシカル花子
エシカル花子

この1年で東京に転入する数が大幅に減っているね…

人口が多いことで感染を懸念して東京に来る予定だった人たちはどこに行ったんだろう。

地方の強みとしては、豊かな自然を享受しながら働くことができたり、地域の絆の中で子育てを行うといった和やかで多様なライフスタイルを実現でき、都心とはまた違った暮らしをすることができる可能性があります。

様々なライフスタイルが志向される中では、こうした「活力ある地域社会」を将来にわたり実現していくことは大変重要なことです。

この地方創生のためには、若い世代の結婚、出産、子育ての希望を叶えながら生活の満足度を上げ、文化や歴史、街並み等を生かした「暮らしやすさ」を追求し、地方の魅力をはぐくみながら、人々がいろんな場所から集まってくるような地域を構築していくことが必要です。

また、地域の特色を生かしながら、地域の外から稼ぐ力を高め、得られた資金が地域に投資され、地域の隅々まで循環していく仕組みも必要です。

こういった取り組みには政府も関わっており、人が訪れ、住み続けたいと思っていただけるような地域にしていく、このような取り組みの後押しを地方創生として行っています。

参考:いいかも地方暮らし 地方創生はなぜ必要なのか?

地方創生・まちづくりの具体的なアイデアは何がある?

地方を活性化させようと、新しいアイデアを活かして取り組んでいる企業や自治体が年々増加傾向にあります。

ここでは地方創生のアイデアとともに、その事例をいくつか取り上げていきます。

地域資源を活かした取り組み

地域資源を活かした取り組みも地方創生、まちづくりにとても重要となってきます。

それぞれの地域にある観光スポットや、景観を活かしながら地域をもっと盛り上げていく取り組みがその市町村の自治体や、組合、企業が行っています。

その観光スポットを活かしたイベントを開催したり、その土地ならではの景観を活かしたPRをメディアを通じて発信したりなど、地域ぐるみでまちづくりを行っているところもあります。

例えば、岐阜県可児市の戦IKUSAチャンバラ合戦を利用した山城PR滋賀県の琵琶湖を活かしたサイクリングイベントや滞在型の観光推進など、地域の特性に活かした取り組みが行われています。

若い世代が暮らせる持続可能なシステムの構築

地方では人口減少や少子高齢化が進み、空き家の増加という問題が懸念されています。

出典:不動産ジャパン

グラフからでもわかる通り、年々空き家の数は増え続け今後も増加していくと予想されています。

一方、こういった空き家の中でも、また新しい形にリノベーション出来そうな古民家を活かしてカフェや宿泊施設を作ったり、新たに人が集まる場所として作り直したりする取り組みが増えていきます。

また、若い世代や女性が暮らしやすく、活躍できる持続可能なまちづくりも各地方で次々と行われており、市や町が一丸となって制度や仕組みが作り上げられています。

代表的な取り組みで言えば、埼玉県の和光市で行われている「妊娠期からの切れ目のない支援」で子育てを考えている女性が住みやすいまちづくりであったり、大学が地域と協力して新しい施設の設立やコミュニティづくりなどに励んでいる地域もあります。

関連リンク:【30秒でわかるエシカル用語集】空き家問題

ひとづくりのために地元のスタートアップを支援、新しい仕事場を地元に作る

また、ひとづくりや地元の雇用を増やすことも地方創生の大切な観点であり、地元のスタートアップを支援する制度も次々と増えています。

都心で働いていたけど、やっぱり地元で何かしたい…と地元に帰って転職する人が増えているという事実も地方創生がどんどん進んでいくひとつの要因でもあります。

コロナウイルスの影響でより地元で働きたい人が社会人はもちろん、学生の中でもUターン就職の希望が増えています。

出典:マイナビキャリアリサーチLAB

コロナの影響もありグラフからも22卒の地元就職の希望率が大きく伸びていることが分かります。

市や町も地元の地域活性化のために新しいアイデアを実現させる企業を応援してくれる制度を設けて暗るのは、地方で起業したい、地元を盛り上げたいと思っている人にとってはとても嬉しい制度ですよね。

エシカル花子
エシカル花子

私の町でもスタートアップへの支援が盛んで、「起業家の集まるまち」を目指しているよ!

関連リンク:【30秒でわかるエシカル用語集】U・I・Jターン

まとめ

今回は今日本が掲げる過疎地域の問題や、その解決に向けての地方創生まちづくりの取り組みなどについてご紹介しました。

コロナウイルスの影響で、私たちの生活が変わり地方もすごく早いスピードで変化しています。

また、こういった地方創生やまちづくりには「人」が重要であり、人がいなければ地域は活性化しない可能性が高いです。

都市部だけでなく、地方にもたくさんの人が足を運ぶような、そんなまちづくりが日本でもっと進んで行くといいですね。

エシカル就活ではそんな地方を応援する企業も取り上げています。

まちづくり・地域創生に興味がある人はエシカル就活を覗いてみてくださいね!

関連リンク

【30秒でわかるエシカル用語集】空き家問題

【30秒でわかるエシカル用語集】U・I・Jターン

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