日本の教育は受動的!?欧米と比較した日本教育の課題と世界の教育の現状とは?

教育

私たちが今まで受けてきた義務教育が今と昔では少し変わっていること、ご存じでしたか?

今の小学生はタブレットやパソコンを使って授業や宿題を行なったり、英語教育が必修化になったり、高校では投資信託についての授業があったり…

今の教育はだんだんと変わり始めています。
ただ、変わり始めた日本の教育にもまだまだ課題点があります。

今回はそんな日本の教育問題についてや、それらを解決するアイデアをご紹介していきます。

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今の日本教育の現状とは?

実は日本の教育は約150年もの間教育システムが変化していません。
IT化が進み世界中でグローバル化が広がっているのにも関わらず、日本は大きな遅れを取っており問題点が山積みとも言われています。

実際に海外と日本の教育を比較してみると、その違いがかなり明らかに…!

日本教育の現状にはどのような点が挙げられるのでしょうか?

受け身スタイルの集団授業

1クラスに約30人の生徒が集まって、ひたすら先生の話を聞く…
日本ではこういった講義スタイルが授業の主な特徴です。

もちろん、先生から学んだことをテストで確認することはありますが、基本的にアウトプットが無く受け身な授業がまだまだ多いというのが現状です。

また、教科書通りに進んでいくためクラスの1人1人のレベルに沿って教えることができず、結果的に個々の能力を伸ばすことなく全員で足並みを揃えてしまうことになります。

そのため、子ども1人1人の才能や個性を伸ばしにくい授業スタイルで、この点がかなり海外と異なっていると言えるのではないでしょうか。

学校の偏差値や入試目的の学習

他に海外と異なる点としては、学ぶ目的が挙げられます。
日本では「偏差値の高い高校や大学にはいるため」や「入試で合格するため」など、自分が学びたいからではなく、大学の名前やブランド力を気にして、そこに合格するために勉強しているというケースが多いのではないのでしょうか?

確かに専門的なことを学びたくて頑張っている人がいるのも事実ですが、良い高校に入ること、良い大学に入ることを目標にして勉強をしていらっしゃる方も多く、日本はその目標を達成するために勉強するというスタイルが海外より強く感じられます。
親も社会も、まだまだ偏差値でその学校の良し悪しを決める傾向が非常に高いです。

基準が子どもの個性ではなく、学校の数字が基準となっているのです。

また、試験で良い成績を取った学生が「優秀」とされるので、学校側にも良い点数を取るための教育が求められている傾向があります。これではいつまでたっても子どもの才能を引き出して素晴らしい才能を開花させることはできないでしょう。
こういった授業スタイルは自発的な学びに繋がりにくいため、問題視され始めています。

「暗記中心の授業スタイル」

学校で勉強していても、「ここ来週までに覚えてきてね~」「ここ明後日出すから文章覚えてきてね~」などと言われませんでしたか?

日本の教育スタイルは基本的に「暗記学習」が多く、社会や理科、英語においても勉強は暗記をする場合がほとんどであり、自分で考えたことや疑問に思ったことを話し合うような機会が少ない場合がほとんどです。

こういった学習方法は問題提示能力が欠けてしまうという点で、今問題視されています。
ただ暗記するだけでそのWHYの部分を求めることが少なく、結果的に内容の浅く記憶に残りにくい丸暗記でテストのための学習といったようなスタイルになってしまうのです。

小中高で習った内容、覚えていますか?
社会人になる頃にはほとんど忘れているのではないでしょうか?

参考:Door to Global 日本教育の問題点はどこにあるのか

日本と海外の教育ってどこが違う?

では、海外の教育と日本の教育、どこが異なっているのでしょうか?
教育環境と学習方法に焦点を当てて見ていきましょう。

教育環境

欧米では日本のようにただ教えるのではなく、「1人1人の才能を伸ばす・可能性を導き出す」ことに重点を置いています。また、日本のように成績が良くても悪くても、義務教育だから1年ずつ進級できるといった仕組みではありません。

成績がよければ飛び級をしたり、特別な支援教育を受けることが可能なのです

なので、もちろん小学生が大学まで飛び級する…なんて話も無いわけではありません。

また、早生まれの子は1年後の学年で入学することもでき、子ども1人1人に合った教育環境を与えているのです。

学習方法

欧米などの海外では、日本のように暗記をしてテストで問題を解くといったような詰め込み型の学習方法ではなく、自分で調べたり、解決法などを考えたりする問題が一般的です。

そのため日本のように決まった問題から決まった答えを解くような宿題やテストはほとんどありません。
親が宿題やテスト勉強を教えるなどの干渉はあまりないと言われています。

参考: しゅふJOBnavi 日本の教育と海外の教育の違いって何?

SDGsと教育

日本では小学校と中学校の計9年間が義務教育となっており、日本中の全ての子どもたちが教育を受ける権利があります。しかし世界で見るとどうでしょうか?

実は世の中には紛争や戦争、貧しい暮らしのために学校に通うことができていない子どもが約1.2億人もいます小学校に入る歳になっても学校に通えていない子どもの約半分は、紛争や戦争が起きている地域で暮らしていると言われています。

彼らは学校へ行くことが出来ず、常に戦争や紛争の不安を抱えながら生きています。

貧しい暮らしをしている子供に教育を受けてもらい、彼らが安定した収入を得る仕事に就くことが貧しさという負のサイクルから抜け出すチャンスとなるのです。

教育は子どもたちの未来を広げるきっかけになります。

SDGsの4つ目にも「質の高い教育をみんなに」という目標が掲げられています。

女の子が学校に通う権利

日本では男女関係なく、当たり前のように学校に通い教育を受けていますよね。

しかし世界では女の子が男の子と同じように教育を受けられる機会が少ないという問題があります。今でも女性は教育を受けなくていいという考えを持っている家庭や地域は少なくありません。

日本でも、女性も勉強するという考え方が少しづつ広がってきたのは近代になってきてからです。様々な取り組みを行っていく中で、小学校などの初等教育では男女平等に教育を受けられるようになってきました。

しかし、学年が上がるにつれて男子生徒の方が多苦なっていくという傾向も地域や学校によってはないとは言えないのです。

女性だから教育を受けられないということではなく、経済や民族、障がいの有無などの関係で、社会的に弱い立場だからといって教育を受けられないという状況をなくしていかなければいけません。

どんな立場の人でも平等に教育を受けられることが重要です。

教育の質の高さも大切

教育にはやはり質の高さも重要です。実は、世界では15歳以上で読み書きができない人が約7億7300万人もいると言われています。学校に行けない人よりもはるかに多いですよね。

読み書きができないということは何か契約を結ばなければいけない時にその内容が理解できないということにも繋がりますし、何かトラブルに巻き込まれたときや仕事をするときに、自分にとって良くない条件を突きつけられたりする可能性も少なくないのです。

何か医療を受けたり、薬を飲むときにも文字が読めなかったり、名前が書けないととても大変ですよね。

ただ教育を受けるだけではなく、文字の読み書きであったり、計算などの教育の質の高さも求められてきます。学ぶ場があったとしても、学校の設備が整っていなかったり、先生が足りない、学習に必要な教科書がないなどの問題もあります。

学ぶ場を提供するだけでなく、学ぶ環境を整えることも質の良い教育には必要だということです。

参考:EDU TOWN SDGs質の高い教育をみんなに
出典:UNESCO inclusion education

新しくなる日本の教育

今の日本の教育は課題点が多く、もっと個人の才能や能力を伸ばす学習方法が必要だと言われています。
コロナが流行したことにより、日本の教育現場もかなり変化しましたよね。

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この記事では、日本の教育問題に対する新たなアイデアをいくつか紹介します。

1.ホームスクーリング

学校に馴染めないお子さんにはオンラインを活用したホームスクーリングシステムを充実させる仕組み。
コロナで当たり前となってきた、自宅で授業を受けるというオンライン授業。
こういった方法を活かして、学校に馴染めない子どもにオンラインを活用したホームスクーリングを行うのはいかがでしょうか。

ホームスクーリングとは、学校に通学せず、家庭に拠点を置いて学習を行うことをいいます。オルタナティブ教育の形式のひとつであり、ホームスクール(英語: homeschool)、ホームエデュケーション(英語: home education)などともいいます。

出典:Wikipedia

日本では家が学校ということはあまり想像できないかと思いますが、欧米では意外とポピュラーな方法で、親が講師役になり子どもに教えたり、インターネットでの学習を利用して親は監督側になるなどの方法が取られています。

主な理由は、アメリカで多発している銃乱射事件や学校環境の不安、学校の指導への不満などが理由に挙げられますが、子ども一人ひとりの成長に合わせた学習ができるといった点も挙げられるでしょう。

引用:データえっせい 止まらない不登校の増加

グラフからも分かる通り、多少の上下はあるものの不登校を理由で休む小中学生の数は年々増え続けています。

このコロナ過において学校に行く重要性について考え出した子どもも少なくはないはずです。

学校には理由があり行きたくないけど、勉強は頑張りたい…
そんな子どもにはこのホームスクーリングの活用が期待できるのではないでしょうか。

また、家でなくても子ども自らが勉強したい場所で、タブレットなどを活用しながらオンライン授業を受けるという方法も広がっていくと1人1人の勉強スタイルが確立していくかもしれませんね。

2.給付型奨学金の充実

充実した教育という点を考慮していくと、給付型の奨学金も重要なのではないでしょうか?

給付型奨学金とは、優秀な学生などに送られる返済不要の奨学金のことを指します。

現在日本では高校や大学への進学率が上がってきていますが、それと同時に学費も向上しているというのも事実です。

出典:東洋経済

これは国立大と私立文系大学の1年間の学費ですが、国立の学費の値上げとともに私立の学費もどんどん高くなっています。

学費は高くなりつつありますが、大学や専門学校に進学する希望者(グラフでいう青や緑)は年々増加傾向であり、進学率もだんだんと伸びていることが分かります。

大学卒と高校卒では就職後の給与も大きく変わります。

大学を卒業していないと希望している職種に就くことができない、でも大学に行けない。
学びたくてもお金がないので、あきらめざるを得ない。

そんな学生に対しての給付型奨学金をもっと充実させるべきなのではないでしょうか?

3.大人もいつでも学べる環境

SDGsの4番目のゴール、「質の高い教育をみんなに」のポイントで「子どもも大人もいつでも学ぶことができる」があります。

学ぶのは子どもだけではありません。もちろん大人にとってもいつでも学べる環境があるということは子どもの学ぶ環境を作り上げていくことにも繋がります。

例えば地域の学習イベントや、体験学習に参加し、親と子ども一緒に教育について学ぶ機会を増やすこと。

もちろん大人だけの学ぶ環境も良いですが、親子など年の離れた者同士が一緒に学ぶことによって、体験を通して様々なアイデアやひらめきが生まれてきます

こうした機会を増やしていくことで、教育はぐっと質の高いものになります。

さいごに

今回は今変化しつつある日本の教育とその課題についてのご紹介でした。

当たり前のように勉強してきたあの環境も、よくよく考えてみると「本当にそれで良いのかな?」と思えることもあります。

また、私たちの生活は日々変化しており、教育の在り方も日々変わっていかなければいけません。

もっと日本中、世界中の子どもたち、そして全ての人に等しく教育という学ぶ環境が与えられるといいですね。その未来はそう遠くないのかもしれません。

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